シミュレーション
C1の値を100pFに固定したこと、二段目ゲート抵抗R11を追加した以外変更点はありません。
最大値1V、1kHzの正弦波を入力してFFTで見ます。ゲイン2倍のアンプにしているので、出力振幅は2Vになります。
前回の記事で予想した程度の歪率になりました。
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改良
別に-120dBに不満はないのですが、FFTではっきり歪のスペクトルが見えると改善してみたくなります。
熟考した結果、改良としては、
- 終段アイドリング電流を10mA→20mAに増やす
- 二段目をカスコード化して帰還容量の非線形性の影響を消す
- 補償容量を小さくし、初段の負荷を軽くする。それだけでは位相補償の釣り合いが取れないので、初段エミッタ抵抗を増やしてgmを等価的に下げてみる
の3つを実施することにしました。
20dB以上の改善が得られました。
考察
一番改良効果が高いのは恐らくカスコード化です。アイドリング電流は終段の負荷が元々軽いのであまり効いていないはず。重い負荷では顕著に効いてきます。
補償容量を小さくすると同時に初段gmを下げる方法は、初段で発生し、NFBによって効果的に打ち消されない種類の歪みを軽減するために有効な方法です。実機でこれをやると、差動のバランス、抵抗の熱雑音との戦いになるので、ちょっと微妙かもしれませんが……
まとめ
シミュレーションだと割とあっさり無歪に近いところまで持っていけるなぁ、と思うなど。