概要
以前から気になっていたベース電流ドライブアンプについてシミュレーションしてみます。
私の発案ではありません。
出典:http://www.geocities.jp/mutsu562000/hp008.htm
シミュレーション
このような回路です。
とりあえずAC特性を見ます。
低域ゲイン40dBにも届いていません。原典にはドリフトに悩まされた旨が記されていますが、むべなるかなといったところでしょう。
以前試した方法で初段でゲインを稼いでみます。
ゲインを増やしただけだと発振するので、初段でステップ補償しています。
個人的にはもう少しゲインを稼ぎたいところですが、とりあえず及第点でしょう。
この状態でシミュレーションしたらクリップしたので、最終的に2段目テール電流を20mAまで増やしてなんとか無事に1W出るようになりました。二段目の差動をやめちゃえばAB級動作できるので、それも1つの手です。
取り立てて良くないのですが、2N3055のhfe直線性が悪いことは明らかなので正当な評価ではないと思います。奇数次高調波主体の歪みが出ているのは対称性の良い回路であることの証です。
まとめ
この方式だと二段目の負荷インピーダンスが重いので、原理的に性能はいまいちになると思います。
とはいえ、hfe直線性の良いトランジスタを持ってくること、DC安定性さえなんとかすること、B級動作可能なようにすること(なにしろ差動だとA級にしかならない・・・)を意識すれば十分使えると思います。