はじめに
コンベンショナルなオペアンプ増幅回路の内部の電圧増幅段の出力端子のインピーダンスが気になったので調べました。
たとえばこのようなパワーアンプを考えます。
方法と結果
そのままではNFBがかかっているので、うまく調べることが出来ません。初段と二段目を切り離して考えます。
こうして初段の出力インピーダンスを調べます。
100kΩもありません。
何はともあれ出力インピーダンスがわかったので、以下のような回路で近似することを考えます。
先程はわかりやすいように線形軸でみましたが、今度は対数軸で見てちゃんと近似できているかどうか確認します。
問題なし。
これを使って初段に繋がった状態の二段目の出力インピーダンスを測ります。
カスコードのおかげで超低域では10GΩに達しようという勢いですが、可聴域では2MΩ~2kΩあたりに収まっています。その後10MHzあたりまでは1kΩを維持します。ただし、これは位相補償によってどうにでも変わります。
まとめ
このように見ることができ、それなりに知見が得られました。
コレクタ/ドレイン出力なので電流性出力、というのは間違いです。直流ではそうかもしれませんが、交流的には特に二段目は、可聴域でもたかだか数kΩくらいになります。なので、ぶら下がる負荷によってはほぼ電圧ドライブと言った方が良い状況もありえます。