はじめに
006P一発とかのアンプを組もうとすると、せめて電圧増幅段の電源がもう少し高ければ出力がだいぶ増やせるのだが、というケースがあります。
一番簡単な方法として、ブートストラップでできますが、必ずしもおすすめはできません。
シミュレーション
まず原型の回路です。
案の定出力電圧範囲は狭いです。出力段バイアスと電圧増幅段の動作電圧がつかえて止まるというメカニズムで、これを改善するのはかなり困難です(バイポーラでも1.2V+アルファが要る)。
出力端から電圧増幅段をブートストラップします。
ダイオードは充電のため。Cの直列抵抗はこれが容量負荷にならないようにする細工で、本当はもっと大きい数字のほうが好ましいでしょう。定電流回路に入れているRは、この方式だと電流が欲張れないので電圧増幅段の電流を減らすため。増やした位相補償は、クリップ時の寄生発振対策です。
すごく苦労する、ということをなんとなく察していただけたら幸いです。
こうなります。ほぼ電源電圧までのドライブが可能になります。
問題点
スイッチングノイズが出るのと、安定性が確信できないので、これは作らないと思います。
まとめ
まあ、やればできるのは確かな訳で、安上がりにハイパワーポータブルアンプ作るにはいい方法だと思います。